猫背の無職

気が向いたら

プチ小旅行第一弾「勝鬨橋」

はじめに

皆さんは「勝鬨橋(かちどきばし)」という橋をご存知だろうか。

勝鬨と聞くと f:id:EvahPirazzz:20180313170436p:plain を連想するオタクも多いと思うが、勝鬨橋とは1940年の竣工以来、隅田川を渡し、築地と月島の人の行き来を支えてきた橋である。2007年に清洲橋永代橋と共に国の重要文化財(建造物)に指定された。今回は東京駅から勝鬨橋までのプチ小旅行(3km歩いただけなので本当にプチ小旅行)について、そして勝鬨橋を見て思うことを綴りたい。

 

勝鬨橋とは

勝鬨橋は単なる古い橋ではない。日本に37しかない可動橋の一つであり、かつては通航する船舶を通すために中央部分が跳開していた。しかし、船舶通航量の減少と高度経済成長の進展に起因する道路交通量の増加により跳開の回数は減少し、ついに1970年、橋の開閉が停止となった。

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私は平成生まれであり、橋が開いている姿どころか昭和そのものに触れたことのない人間なのだが、この橋には私にとって未知の「昭和」があるような気がしたこと、この勝鬨橋をテーマにしたこち亀の「勝鬨橋ひらけ!の巻」という話が大好きであることが、私を勝鬨橋に駆り立てた。「勝鬨橋ひらけ!の巻」は71巻、「勝鬨橋、再び開く!!の巻」は181巻にそれぞれ収録されている他、「こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE」にも勝鬨橋が登場する。

 

散策ルート

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東京駅

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あえて八重洲ではなく丸の内からスタート。晴れていて花粉がやばい。やばすぎる。

駅前広場含め東京駅復元工事が完了し、とても綺麗な外観になっていた。東京駅は乗り換えや新幹線乗車の際に利用するが駅から出る機会は案外少なく、とても新鮮である。

 

歌舞伎座

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歌舞伎は本当に面白い。私はこの歌舞伎座で何回か歌舞伎を観劇したことがあるのだがとても感激した。観劇だけに。なんでもない。

独特なセリフ回しのため、役者が何を言っているのか分からないという方が多いと思うが、劇場の入り口やロビーで貸出されている同時解説イヤホンガイドを利用すると、誰でも歌舞伎の世界を存分に楽しめる。時代背景、衣装、音楽など隅から隅まで新鮮な発見があること間違いなしだ。中高の音楽の教科書でよく取り上げられている「勧進帳」や「京鹿子娘道成寺」などの作品が親しみやすく面白いと思うので、上演演目にあれば是非是非。

ちなみに今回の散策では歌舞伎座の前を通っただけである。

 

勝鬨橋

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良い橋なんだよなあ・・・

とにかく橋から見える景色が良い。

平日の昼に行ったので、昼休憩のサラリーマンの方々が歩いていた。

 

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横から見ると、確かに真ん中の部分が開きそうだし、開く姿も想像できる。

建設工事の際、可動部の二本の橋脚と築地側の橋を建設し、最後に月島側の橋を建設するという段階的な建設がなされ、船の通航を妨げないようにしたとか。

 

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跳開部分に立ったが、とにかく揺れる。現在はロックされているので開くことはないが、大きいトラックが通るとギシギシ揺れるので隅田川に落ちるかもしれないというスリルを味わうにはいいかもしれない。

 

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橋のすぐ傍にある「かちどき橋の資料館」での一枚。勝鬨橋開閉の際に活躍した発電機や計器類が展示されている。勝鬨橋が動いていた動かぬ証拠である。

 

築地

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旅の最後はマグロ尽くしの海鮮丼。築地はいいぞ。

 

変わる風景

少しまじめな話をする。東日本大震災から7年が経った。私は被災こそしたものの家族や友人みんな無事で心に深い傷を負うことなく育った。しかし、それでも、住んだことのある土地が瓦礫の山と化したことは私にとって大きな衝撃だった。そして、変わらない風景はこの世に存在しないと痛烈に感じた。

それから、変わりゆく風景をこの目で見ることの重要性を感じるようになった。文字にすると大層なことを言っているようだが、要するに物の見方が変わった。いつか変わってしまうから、どんなことも自分の目に焼き付けておこうと思うようになった。

 

勝鬨橋はどうだろうか。姿かたちはそのままでも可動橋としての役目は終えた。やはり変わっていく風景なのだろう。だからこそ、勝鬨橋は魅力的なのだ。

 

ところで今回「かちどき橋の資料館」を見学した際に知ったことなのだが、橋の建設を担当した中心人物は東京市関東大震災復興担当の役人さんたちだったそうな。変わる風景とは何なのだろうか。