オタクは全員コミケコスプレカメコになるべきという話
こんにちは。お久しぶりです。あけおめ。
今回は、コミケコスプレスペースにおいてどのように立ち回ればコスプレ撮影を楽しめるのか、そしてコミケに行きながらもコスプレを撮らずに帰宅するオタクがどれほど幸福の機会を喪失しているかを解説していきます。
身内のカメコが増えると立ち回りの面で色々と楽なので、若干の勧誘の意味合いを含めながらこの記事を書いています。正直、これ以上スペースの人口密度が上がると死活問題化してくるので身内以外はこの記事読まなくても大丈夫です。
目次
1.基本的な話
コスプレとは何か。はじめに言っておきたいのだが、私は、コスプレはいわゆる性風俗に近しいものではないと考えている。確かにコスプレスペースの周りを某高収入アルバイト斡旋業者の宣伝トラックがグルグル回っていることは事実だし、めちゃくちゃ露出して承認欲求を満たすレイヤーや、ローアングルで動画を撮影してネットで販売している業者がいることも事実だ。
しかし、あの場の全員がそのような心構えでコミケの「表現」に相対しているわけではないということは一言添えておきたい。ローアングルで撮ってみたいなぁという気持ちは分かるし、正直シコれるが。
(1)コスプレ撮影の基本知識
解説すると言ってしまったので、そろそろそれっぽい解説をしようと思う。
コミケにおけるコスプレ撮影は、2つの撮影形態が存在する。それは「並び撮影」と「囲み撮影」だ。この記事を読んでいる人のほとんどがコスプレ撮影に対して「囲み撮影」のイメージをもっているだろうが、現状は「並び撮影」が主流である。ハースストーンで例えるならば、囲み撮影はアグロデッキで、並び撮影はコントロールデッキである。ほんの数年前までは囲みが乱立しており、とにかく高い運動量を求められたのだが、良い意味で上品になった。初心者にお勧めしやすくなったと捉えることもできる。
「並び撮影」とは、カメコが並んで一人一人順番に撮影していく方式である。
利点〇
①目線が確実にもらえる。
②構図など自分の思うように作ることができる。
③レイヤーとの物理的な距離が自由に変えることができるため、単焦点レンズで撮るこ
とが可能である。
欠点✖
①並んでいる待ち時間があるため、囲みに比べて時間効率が悪い。
②ポーズの指定など、ある程度のコミュニケーション能力が求められる。
③順番待ちしている後続がいるので、長時間撮ることができない。
付け加えて、コスプレ撮影の基本ルールでもあるが、どんなに待つのが面倒でも並び撮影しているレイヤーさんを横から許可なく撮影してはならない。確実にボコされる。
また、並び撮影には「列切り」というシステムが存在する。これを理解していないと痛い目を見る。列切りとは、レイヤーさんが列切りを宣言した時点での列の最後尾で撮影を終えるために、それ以降列を伸ばさないようにする措置のことである。このため、「列切りお願いします。」とレイヤーさんに頼まれた最後尾のオタクは、自分の後ろに並ぼうとするオタクに「ごめんなさい。列切っちゃってるんです~!(ニチニチ愛想笑い)」と説明して人払いをしなければならない。視覚的にも列切りしていることが伝わるよう、最後尾の人だけ反対向きに立っていることもしばしば。
「囲み撮影」とは、レイヤーさんをCの字型またはOの字型に囲んで撮る方式のことである。カメコウォールだのATフィールドだの言われてるアレのことだ。
利点〇
①レイヤー・カメコ両者にとって、時間的な回転率がいい。
②大手レイヤーはだいたい囲みで撮影する。(並びだと果てしない列になるため)
③並びよりも囲みの方が精神的に楽。(やっぱり1対1は緊張する)
欠点✖
①自分の考える構図やポーズになるとは限らない。被写体との距離も遠い。
②目線お願いします!と声を掛けないとそもそも目線もらえないことがある。
③環境が劣悪。自分の顔のすぐ横にはオタクの顔。すぐ後ろにもオタクの顔。
囲み撮影には、「カウント」というシステムが存在する。カウントとは撮影終了の秒読みのことであり、これがない限りは永遠に撮影が続けられてしまう。カウントを頼まれたら「カウント10でいきま~~~~す!w 10!9!8!…」と数えていく。少しゆっくりめに数えること、周りに聞こえる声を出すことがポイントである。
また、囲み撮影では、「最前列は座る・前から二番目は中腰になる」のが好ましい。後ろにもカメコがいるため、変に立っていると「邪魔だぞ」というヤジが飛んでくる場合もある。
加えて、挨拶は人間の基本である。正しい挨拶ムーブは余計なトラブルを避ける重要なキーとなる。撮影をはじめるときはレイヤーさんに向かって「よろしくお願いします。」「一緒にお願いします。」、囲みから抜けるときはレイヤーさんに向かって「ありがとうございました。」、周りのカメコに対しては、レイヤーさんの目線がこちらに向いてないことを確かめてから「すみません抜けます。」。コスプレエリアでの喧嘩ほどしょうもないことはない。気をつけようね。
(2)コスプレエリアの解説
C97コスプレエリアは
- 庭園
- エントランスプラザ
- 屋上展示場
- 防災公園
の4箇所設定された。G1駐車場は行ってないので知らん。それぞれに特徴があるので、ざっくりと解説していく。
・庭園
開場から一番早く人が埋まる場所。初手はここが安定という声もある。しかし、場所が狭いため、囲み撮影は皆無でほとんどが並び撮影である。また、ローアングラーの園と化すこともしばしばで、個人的には一番治安がよろしくないと思っている。このようなことから、大手レイヤーは庭園を避ける傾向にある。人口密度は高め。ポケモンで例えるならスパイクタウン。
・エントランスプラザ
立地的な関係から撮影目的ではない人も通るが、その割りに面積もそこまで広くないため、人口密度が異常に高い。ネタコスやヒーローコスが多い傾向にある。こちらも並び撮影の方が多い。また、ビッグサイトの逆三角形の日陰になるので採光の観点では難があり、ストロボなど必要になる可能性がある。あと冬は寒い。背景に逆三角形が入る点はコミケって感じがするので◎。ポケモンで例えるならバトルタワー下のよくわからん広場。
・屋上展示場
待機列が入る関係から、開場からしばらく時間が経たないとコスプレ広場として開放されないというデメリットこそあるが、ある程度の面積を確保できるため大変人気の高いエリアとなっている。大手レイヤーも多いため、囲みも多い。並びも多い。また、背景に青空が写る点、太陽光があるため自然採光の観点からも優れている点、床が白い故にレフ板の働きをするため写真の出来栄えも良くなる。ただ、夏は灼熱地獄で冬は極寒地獄。ポケモンで例える必要はない。
・防災公園
今は亡き西駐車場(今は南ホールとなった)の代わりとして、ここ数年で圧倒的成長を果たした防災公園。ロケーションも◎だし広いし言うことがない。ケチをつけるとすれば、屋上展示場から遠すぎることと、広すぎて目当てのレイヤーさんがどこにいるのかよく分からんことくらい。下のようなエリア分けがされている地図を使って詳細に位置情報を伝えてくれるレイヤーさんもいる。囲みも列もどちらも多いが特に囲みが発生しやすいエリア。超大手レイヤーはここでないと囲みを作れないという事情もある。
個人的には 、「4,15」辺りは武装した特殊部隊コス、「14,25」辺りは集合(3人以上集まった合わせのコスプレ)、「11,21」辺りはヒーロー物のコスプレ、「22,23,1,2,3」辺りは並び撮影、「12,13」は囲み撮影、「34,39」付近は超大手の超巨大囲みができるような印象がある。あくまで参考程度にしてほしいが毎回だいたいこんな感じである。
毎回、屋上に行くべきか、防災公園に行くべきか死ぬほど迷っているのだが、正直だちらでもいい。あとは自分が撮りたいレイヤーさんがどこに来るのか運次第。前述の通り、屋上と防災公園は物理的に距離が離れているため、何度も行き来するのは得策とは言い難い。
2.カメラについての話
デジカメでもスマホでもなんでもいいよ。一眼レフの時代は終わりつつあるんだから。カメラやレンズの値段もあんまり関係ない。本人が楽しければ、満足していればそれでいいんだ。初心者だけど一眼レフを買いたいっていうならCanon Kissシリーズをはじめとしたエントリー機のズームレンズキットを買えばいいし、最近のスマホも純粋にすごい性能だと思う。まあぼくはフルサイズ一眼レフだしLレンズなんですけどもw
ただ、アドバイスするなら、一眼レフの場合はFP発光(ハイスピードシンクロともいう)できるストロボを買おう。逆光から撮影できるようになるぞ。順光(レイヤーさんが太陽側を向いている状態)だとレイヤーさんの目が細くなるし、レイヤーさんの目を傷めることにつながるからやめようね。
3.オタクは夢を追いかける生き物
コスプレ撮影の良さは中々言語化できない。機材は重いし歩くから疲れるし、オタクに揉まれながら必死にカメラを守らなきゃならない。でも、やっぱりコスプレを撮りたくなるし、撮りにいってしまう。
コミケという場所は、ただ買い物をする場所ではないと感じることがある。今の時代、わざわざビッグサイトに行かずとも物品を購入することは可能である。
では何故、オタクはコミケに行くのか。それは、コミケという場所が、「表現」というツールを介して、人とつながることができる場所だからだと思う。同人作家もコスプレイヤーもカメコも、何かを作ってそれを発信することで、人間の根源的な「コミュニケーション」を成立させ、コミケという社会において自己実現を図っている。
どんな欲望に起因する表現であろうとも、一般社会では否とされるものがコミケという社会では是とされ、価値として認められる。それがどれだけ尊いことなのか。表現形態は違えど、同人誌もコスプレも、そしてコスプレ撮影も、土台は同じなのである。
コミケという場所に集うオタクは、言ってしまえばみんな根本は同じだと思う。だからこそ、コミケに来ていながら、コスプレという同人誌とはまた違う「コミュニケーション」に触れずに帰宅してしまうのは、なんだかもったいないなぁと思ってしまう。
好きな物を追いかける、表現というツールで夢を追いかけるオタクをこれからも応援したいし、ぼくは平日開催でも仕事休んでまでコミケに行き続けると思う。